春日部市の完成見学会報告「GX志向型39坪の2階リビングの2世帯住宅」

12/6(土)・7(日)に埼玉県春日部市で完成見学会を開催いたしました。

今回の住宅は市街地に建つ2世帯住宅で、2階リビングの開放感や床下エアコンによる快適空間を体感できます。

当日は大変多くのお客様にご来場いただき、自然素材の心地よさや工夫された設計をご覧いただきました。

見学会で特に反響の大きかったポイントとともにご紹介します。

 

施主様との出会い、家づくりの背景

お施主様との出会いは、春日部市で開催された「商工祭り」でのことでした。

弊社は桧の大黒柱を使ったかんな削り体験で出展し、自社大工や設計担当スタッフが来場者の方々と直接お話ししていました。

お施主様は「木をふんだんに使った、高性能でデザイン性の高い家」を希望されており、地元の工務店である弊社の家づくりに興味を持ってくださったそうです。

今回完成した住宅は、ご両親と子世帯4名が暮らす二世帯住宅です。ご家族の暮らし方に合わせて細部を現場で何度も確認しながら、丁寧に打ち合わせを重ねていきました。

その結果、毎日の生活が快適で効率よく暮らせる使い勝手の良さと、無駄のない洗練されたデザインを両立した住まいを実現することができました。

 

完成住宅データ

｜同居型二世帯住宅

1階床面積：64.5㎡(19.5坪)

2階床面積：67.0㎡(20.2坪)

延床面積：131.66㎡(39.8坪)

敷地面積：113.67㎡(34.3坪)

 

｜立地

埼玉県春日部市の人と車の往来が多い大通り沿いです。

敷地の北側と東側はマンションに面しており、周囲の建物に囲まれた環境となっています。

 

｜仕様

性能：耐震等級3取得(最高等級)、GX志向型住宅、HEAT20 G2グレード（UA値0.46）

床：無垢材（1階ホール 桧、1階居室・2階・小屋裏 ナラ材）

壁：漆喰珪藻土塗り壁、越前和紙

 

木の温もりに包まれる空間

｜玄関

来場されたお客様を最初に迎える玄関には、正面から家の奥が見えないよう無垢材の縦格子を設え、落ち着いた雰囲気を演出しています。

こちらの格子は、お客様をお招きすることが多いというお施主様の希望によるものです。また、玄関ホールは明るい色味の桧の無垢床を採用することで明るく優しい雰囲気に仕上げています。

お施主様は弊社の和モダンデザインのモデルハウス「ミライヤ」を気に入ってくださり、同じなぐり加工の式台を採用されました。職人が丁寧に仕上げた凹凸のある木肌は、玄関に豊かな表情を与えています。

玄関に入ってすぐに、来場者様から「桧の香りが心地いいですね」「床の感触が心地よくて落ち着きます」といった声が多く聞かれました。

 

｜2階リビング

17.5帖のLDKは、勾配天井とロフトがひとつながりになった大空間です。樹齢100年以上の太鼓梁が存在感を放ち、実際の広さ以上の開放感があります。

周囲をマンションに囲まれた立地でも光と風がしっかり届くパッシブデザイン設計により、明るく心地よいリビングが実現しました。

造作のテレビ台は、家づくりを担当した大工が手仕事で仕上げたもの。置く予定のソファに合わせて寸法を調整し、リビングをすっきり見せるようにデザインされています。

リビングの入口には、お施主様の想いを込めた造作の仏間を設けています。

観音開きの扉を備えた上品なデザインで、ご家族が自然と目にする場所に配置しました。

日々の暮らしの中でご先祖様を身近に感じられる、お施主様のあたたかい心づかいが詰まったスペースです。

 

｜ロフト

8.2帖あるロフトは、開放感のある“秘密基地”のような空間です。小学生のお孫さんが勉強や読書に集中できるよう、造作のカウンターと本棚を設けています。

リビング上部とは木格子でゆるやかにつながり、気配を感じながらも程よい距離感を保てる作りになっています。

来場したお子様からは「リビングが見えて楽しい」「ずっとここにいたい！」と大好評でした。

 

床下エアコン1台で快適な室内環境

今回の住宅は、GX志向型住宅でHEAT20 G2グレードの高断熱性能（UA値0.46）です。

断熱性能が高い住宅は、冷暖房の使用頻度が自然と減り、光熱費の負担も抑えられるのが大きなメリットです。

※GX志向型住宅とは、ZEH基準を超える高い断熱性能に加え、省エネ設備や再生可能エネルギーを活用することで、住宅で使うエネルギーを実質ゼロ以下にする次世代の環境配慮型住宅を指します。

 

さらに、当社独自工法のエコ通気システムと「床下エアコン」※を組み合わせることで、効率的に家全体の温度差の少ない快適空間を実現しています。

※床下エアコンとは、床下の空間にエアコンを設置し、床の吹き出し口（ガラリ）から各部屋へ暖気を送る全館空調システムの一種です。

エアコンは一般的な壁掛けタイプを使用しているため、ランニングコスト(光熱費)だけでなく、初期費用も抑えることができます。

今回の完成住宅は洗面脱衣所に床下エアコンを設置していました。

エアコンは木製ルーバーで目隠しし、すっきりと見せています。

床の吹き出し口（ガラリ）はホールやトイレ等の冷えやすい場所に設置しています。

 

今回の完成住宅は二世帯でお住まいになるため、個々の快適性に合わせた温度調整ができるよう各部屋にエアコンを設置されています。

しかし、冬場は床下エアコン1台で家全体がしっかり暖まり、十分な快適さを保てることを来場者様にご確認いただきました。

 

見学会中に計測した室内の温度状況をご紹介いたします。

■ 12/6(土)9:30頃測定

外気温 4.8℃

1階玄関 19.8℃

2階リビング 20.5℃

 

見学会中は来場者の出入りが多く、どうしても暖気が逃げやすいため床下エアコンは 少し高めの25℃設定 として運転していました。

（なお、弊社の展示場では通常22℃前後の設定で十分に暖かさが確保できています。）

「足元から暖かい！本当に暖房器具は床下のエアコン1台だけなんですか？」「2階まで暖かくて快適です」と、多くの来場者の方が驚かれていました。

 

包み込むような温かさを感じるのは、床下エアコンの効果に加え、無垢床が持つ温もりや断熱性も大きなポイントです。

 

紀州和歌山の美しい構造材を現しに

12/7(日)には、協力業者である「リソー匠会」メンバーの山長商店の担当者にもお越しいただきました。

弊社の家づくりでは、構造材を紀州・和歌山の山長商店から産地直送で調達しています。

実際の住まいをご覧いただきながら、強度と耐久性に優れた紀州材の品質の高さについて詳しい解説をしていただきました。

写真左は他産地の杉材、中央が紀州の杉材、右が紀州の桧材で、紀州材の年輪が均一で密度が高いことが分かります。年輪の数や密度は木材の強度に直結します。

 

自然そのままの無垢材は人にも環境にも優しい反面、木の個体差によって強度にばらつきが出ることがあるため、一般的な住宅では強度を均一にするために接着剤で固めた集成材が使われることが多いのが現状です。

しかし弊社では、安心して長く住んでいただける家を造るため、すべての構造材に対して 1本ずつ強度と含水率の検査を実施し、厳しい基準をクリアし JAS認定を受けた木材(構造材)のみを使用しています。

 

今回の完成住宅では、この美しい構造材をリビングの一部に「現し（あらわし）」として取り入れました。

通常は壁の中に隠れる構造材を見せることで、木の力強さや質感を日常の暮らしの中で楽しめるデザインになっています。

ご来場ありがとうございました

このたびは、完成見学会にご来場いただき誠にありがとうございました。

ご参加いただいた皆様には、住宅の性能や素材へのこだわりだけでなく、ご家族のこれからの暮らしをイメージしながら「こんな暮らしがしたい」と感じていただける空間をご体感いただけたことと思います。

当社は地域に根ざした工務店として、地元の気候や風土、お客様のライフスタイルを深く理解したうえで、設計から施工まで一棟一棟心を込めて手がけております。

 

また、今回の完成住宅では、多大なるご協力をいただきました施主様に心より感謝申し上げます。

施主様の「これから家づくりを考える方の参考になれば」という温かいご厚意により、施工中の様子や間取り、見学会の情報を多く発信させていただくことができました。スタッフ一同、深く感謝しております。

施主様とは、これから長くお付き合いが続きます。今後も責任を持ってアフターメンテナンスを行い、安心して暮らしていただける住まいづくりをサポートしてまいります。

 

見学会に来られなかった方へ

今回の見学会にご参加いただけなかった方は、個別に全9つの展示場の見学やご相談も承っておりますので、家づくりのご計画に合わせてお気軽にお問い合わせください。

2026年1月には千葉県野田市で平屋の完成見学会、2月14日(土)には薪ストーブイベントを予定しております。

詳細は追ってイベントページにてお知らせいたします。

ぜひチェックしてみてください。