玄関に一歩足を踏み入れた瞬間、家の印象は大きく決まります。
今回は、その大切な場所にふさわしい「上質な木の温もり」を演出する、無垢の一枚板にスプーンカット(なぐり加工)を施した式台※についてご紹介いたします。
※式台とは玄関の土間と床の段差が大きい場合に設置される板を指します。
この加工は、当社の大工が自作した専用治具※を使い、木目の流れを一つ一つ確認しながら、丁寧に機械で削り出していくものです。
模様の深さや角度が均一になるよう、職人の目と感覚で微調整を重ねながら仕上げていくため、同じ一枚板でも表情が変わる “唯一無二の質感” が生まれます。
※治具(じぐ)とは、加工するものを固定し、位置決めや加工を補助する工具を指します。

スプーンカットにするメリット
1. 足触りの心地よさ
表面の滑らかな凹凸が足裏にやさしく馴染み、無垢材ならではの自然な温もりを感じられます。
職人が木に直接触れ、一削りごとに微妙な角度や力加減を調整して仕上げることで生まれる心地よさです。
実際に踏んでいただいたお客様からは、思わず足踏みをして確かめながら「これは気持ちいいですね」という声をいただくことも。
玄関に立った瞬間、どこか安心感に包まれる心地よさを感じていただけます。
2. 高級感と存在感のある意匠
スプーンカットの柔らかな凹凸に光が差し込むと、影が優しくと揺らぎ、無垢材が持つ豊かな表情がいっそう際立ちます。
この加工を施すことで、木の美しさや力強さ、上質さが引き出され、玄関という“家の顔”にふさわしい品格が生まれます。

3. キズが目立ちにくい
フラットな仕上げとは異なり、スプーンカットの微細な凹凸が日常の細かなキズを自然に馴染ませてくれます。
また経年によって凹凸はさらに滑らかになっていき、艶が出ることで「味わい」が増していくことも魅力です。
時が経つほど美しくなり耐久性が高い無垢材は、長く住まう家にとって非常に相性が良いです。
実際に「踏んで体感」できます
当社の春日部市内牧にあるミライヤモデルハウスの玄関には、なぐり加工の式台を採用しています。



見た目だけでなく、足裏の感触や無垢材の温もりまで実際に確かめていただけます。
さらに 今週12月6日(土)・7日(日) 開催の完成見学会 の玄関にも同じ加工を施しております。

こちらの会場はGX志向型の高断熱仕様。床下エアコンを採用されており、無垢の床の温かみと相まって床下エアコン1台で家中がポカポカです。
写真では伝わりきらない木の心地よい質感を、ぜひこの機会に現地でゆっくりご体感ください。
施工風景
自社大工による式台の加工風景を動画でご紹介しております。
最後に
玄関ひとつをとっても、デザイン性、材料選びから手仕事へのこだわりを込めています。
家に帰るたびにふと気持ちがほどけるような、そんな空間づくりをこれからも大切にしてまいります。

