先日、LIXILが手掛けるIoT実験住宅『みらいえらぼ』のショールームを見学してまいりました。
IoT住宅とは、IoTはInternet of Thingsの頭文字で、インターネットを活用して様々な住宅設備や家電をつなげ、スマートフォン等から遠隔操作や自動化することで、生活をより便利で快適にする住まいのことです。
「住まいの未来」をテーマとした『みらいえらぼ』は、私たちが大切にしている“人と環境に優しい家づくり”に、さらに新しい価値を加えてくれるものでした。
残念ながら一般の方は見学することができないため、体験した様子を写真を交えてご紹介いたします。
【目次】
・実際に体感できる未来の暮らし
・家族の安全を守るIoTの力
・防犯への活用
・暮らし方に合わせて広がるIoT活用の可能性
・導入の費用や手間について
実際に体感できる未来の暮らし
『みらいえらぼ』は元モデルハウスの一軒家で、リビングや浴室、寝室などが用意されています。
実際の生活をイメージしながら、IoTホームリンク「Life Assist2」を中心に、家中のさまざまな設備機器、家電が連動する様子を体感することができました。
【リビング】
連動した操作体験(音声)
「行ってきます」の音声指示を出すと、照明やエアコンが消え、カーテンや窓が自動で閉まる一連の動作を体感しました。
「ただいま」の指示では、照明を付けエアコンをオンにする動作も。
この言葉で一括して行える操作体験は、"未来の住まい”を実感させ、強く印象に残りました。
照明・カーテン・窓まわり制御
カーテンや電動シャッター、横すべり窓(TW 高所用横すべり窓など)がスマホ操作で動く様子を実際に試すことができました。
これらはスマホに入れているアプリで操作ができるので、それぞれのリモコンを探したり、立ち上がってスイッチを押す必要もありません。
空気環境との連動
リビングに設置されている CO₂ 濃度センサーや、温度・湿度計によって室内空気質を測定。設定した値を超えると、自動で窓の開放や、エアコンのスイッチが入るといった操作も行うことができました。
【浴室】
浴槽の自動お掃除機能
アプリ操作またはスイッチ操作、タイマー設定によって、浴槽内を洗剤噴射+循環洗浄してくれる「自動お掃除機能」を見学しました。
浴槽中央からお湯と洗剤が複数回噴射されるそうです。
フタはデモンストレーション用のため透明ですが、実際は家庭にある浴槽のフタで大丈夫です。
浴室の暖房を遠隔コントロール
外出先から浴室の予備暖房を入れておく操作、湯張り、温度設定などが可能な仕組みを体感できます。
帰宅後すぐに清潔で温かいお風呂に入れる便利さは日常を大きく変えてくれると感じました。
【玄関】
外出先から施錠状態確認
窓や玄関ドアの鍵部分にセンサーが設置されており、アプリ経由で鍵の開閉状態を確認できます。
外出先でもスマホアプリで玄関鍵の施錠状況を確認すると「閉」表示が確認でき、万が一閉め忘れがあった時にも対応できることは大きな安心につながると感じました。
また、インターホンのモニターや、防犯カメラで来訪者を確認できるため防犯対策にもなります。
設定しておけばお子様が学校から帰宅すればアプリに通知が入り、鍵を忘れてしまった場合もスマホから開錠操作をすることができます。
自動で照明や空調を操作
リビングで体験した、「行ってきます」や「ただいま」の指示で照明やエアコンを連動して自動操作することは、もちろん玄関でも行うことができます。
さらにGPSを設定している場合は、例えば最寄り駅についたら自動操作といったことも可能です。
【寝室】
連動した操作体験(クリッカー)
クリッカーというシンプルなスイッチを押すことで、様々な機器を連動して操作する体験をすることができました。
クリッカーを1回押すことを「朝の動作」と設定しておけば、シャッターやスクリーン、カーテンが開き、照明を付けられます。
また、2回押すことで「寝る前の動作」と設定しておけば、その逆の操作ができます。
クリッカーは寝室だけでなく、リビングや玄関など任意の場所に取り付けることができます。簡単に操作できるクリッカーは、アプリに馴染みのない高齢者の方や、身体が不自由な方にも受け入れられやすいそうです。
手前の小さな白い箱がクリッカーです。
また、「朝は音声で今日の天気を教えてほしい」「シャッターやカーテンは連動操作ではなく、夕方にタイマーで閉めたい」「寝る前は音楽をかけたい」など、その人の好みによって操作内容は細かく変更することができます。
従来の「便利な家電の集合」ではなく、「ご家族の豊かな暮らしを多彩にサポートしてくれる存在」として住まいが進化していることを強く感じました。
家族の安全を守るスマートホームの力
今回の見学で最も印象に残ったのは、「IoTがご家族の安全を守る大きな力になる」という点です。
屋内カメラとスマートフォンの連動
屋内・屋外カメラを設置・連動させることで、スマートフォンから各カメラの映像をリアルタイムで確認できます。
屋内カメラは縦90度・横345度と広範囲に動かせるため、お子さまが学校から帰ってきたかどうかや、お留守番中のペットの様子を確認することができます。
実例としては、地方に住む高齢のお父様を見守るために設置したカメラで倒れている姿を偶然確認し、すぐに救急搬送につなげて命が助かったケースがあるそうです。
プライバシーに配慮しながら、電気の使用量や玄関の開閉とも連動して見守りを行える点は、ご家族の安心に直結する仕組みだと感じました。
防犯への活用
IoTは「便利さ」だけでなく、防犯にも大きな効果を発揮します。
実例として、外出先からスマートフォンでサッシの施錠状況を確認したところ、お子様の出入りがないはずなのに鍵が開いていることが分かりました。不審に思い室内カメラを確認すると、なんと侵入者が映っていたそうです。
すぐにカメラ越しに「おい!」と声を掛け、同時に照明を点灯。侵入者を退出させ、その場で110番通報につなげることができたといいます。
ただ「鍵を閉めるだけ」ではなく、万が一の事態にも即時対応できる点は、まさにIoT住宅ならではの強みです。
暮らし方に合わせて広がるIoT活用の可能性
ショールームを見学して感じたのは、IoT住宅は「暮らし方に合わせて自由に活用できる」ということでした。
ここでは代表的な生活シーンごとに、その活用例をご紹介します。
子育て世帯におすすめの使い方
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外出先からお子様の帰宅を屋内カメラで確認し、玄関の開閉や照明のON/OFFと連動。家に家族が不在であってもお子様に安心感を与えられる。
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バスルームの遠隔お湯はりで、忙しい夕方もスムーズに入浴準備。
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窓やシャッターの自動閉鎖で、急な雨や強風から家を守る。
共働き世帯におすすめの使い方
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外出先からスマートフォンでエアコンや照明を操作し、帰宅前に快適な室温を確保。
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出先で「戸締りを忘れたかも?」という不安も、アプリで一括確認。
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留守中の宅配便の受け取りも、カメラやスマートロックと組み合わせてスムーズに対応可能。
高齢者を見守るご家庭におすすめの使い方
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屋内カメラで離れて暮らす親御さんの様子を確認。必要な時は声掛け機能で直接コミュニケーション。
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電気の使用状況やドアの開閉と連動させることで、生活リズムの変化を早期に察知。
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緊急時にはスマートフォンから即時確認・連絡ができ、安心を遠隔で支えられる。
このように、同じIoTシステムでも「使う人のライフスタイル」に合わせて柔軟に活かせるのが大きな魅力だと感じました。
導入の費用や手間について
今回ご紹介した最新システムを取り入れるのは、「費用が高そう」、「別で工事費などがかかりそう」、「難しくて使いこなせないかも…」とイメージされた方もいらっしゃるかもしれません。
IoTホームリンク『Life Assist2』は、ホームデバイスを購入すれば手軽に導入することができます。
ホームデバイスは定価で55,000円(税込)で、月額利用料は不要です。
アプリもご覧のとおり直観で操作できるものです。
屋内の設備・家電であれば導入するための特別な工事も不要です。
(屋外カメラは通信を安定させるため有線のものを使用します)
最後に
私たちリソーケンセツは厳選した自然素材にこだわり、四季を通じて快適に暮らせる高断熱・高耐震の高性能住宅をご提案しております。
そこに今回体験したIoTの最新技術を組み合わせることで、日々の生活がより便利で快適に、より安心できる住まいに進化していくことを実感いたしました。
ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。