日本の伝統シリーズ、4月は十三参りに注目してみたいと思います。
十三参りは元々関西方面で昔から行われていた行事なのですが、関東でも良く知られるようになってきました。
数え年十三歳といえば、ちょうど干支が一回りして成長期になる時期であり、
昔でいう元服の時期にあたることから、成長への感謝と立派な大人になる知恵を授かるために4月13日前後一か月くらいにかけて寺社にお詣りするという行事です。
現代ではちょうど小学生から中学生になる間の春休みにお詣りされる方が多いようです。
日本の着物文化にはいろいろな作法があり、年齢などによって仕立て方が違いますので、
十三参りではそれまで着ていた子供用の着物から卒業してはじめて大人用に仕立てた着物を着ます。
ただ、子供の印である「肩上げ」は必ずして着せて行き、帰ってきたら糸をほどくのですが、そういう昔の成人式みたいな行事でもありました。
大人と子供の中間の初々しい姿は七五三とはまた違った成長を感じられる行事です。
無限の知恵と慈悲を持つといわれる虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を本尊とする寺社にお詣りして
知恵を授かるということから、「知恵詣り」、「知恵もらい」と呼ばれることもあります。
お詣りする寺社によって違いはあるのですが、
自分が大切にしている一文字を習字で書いたものを祈祷してもらい、十三種のお菓子を買ってお供えした後、そのお菓子とお守りをもらったりします。
そして帰る時には、振り返るとせっかくもらった知恵を落としてしまうので、
鳥居をくぐるまでは呼ばれても誘われても振り返ってはいけません!
日本には本当にいろいろな行事があって興味深いですね。
季節の節目などに神社仏閣にお詣りするという行事がたくさんあって、古来から日本に根付いている文化といえますね。
大切な伝統を守っている寺社仏閣は殊のほか技術のある匠の宮大工によって建てられてきました。
日本建築の技術の高さは世界的にも認められています。
ご縁をいただいて、リソーケンセツでも光栄なお仕事をさせて頂きました。
春日部大枝香取神社、社務所の建て替えです!
この春、無事に完成いたしました!
こちらもご紹介したいと思います。
建て替え前のお写真がこちらです。
そして完成した後がこちらです。
由緒ある神社らしい堂々とした落ち着きある佇まいになりました。
社務所の玄関ホールはこちらです。
丸窓は京都などの神社仏閣によく取り入れられました。
角がなく、いつまでも永遠に丸い形から、完全・円満の象徴とされています。
手すりを兼ねた磨き丸太の化粧柱を設けた現代の伝統和風建築です。
玄関を入ると、清々し空気感と心地よい木の香り漂う大空間が広がります。
床や柱は桧材です。厚板無垢材です、年月と共に深みと艶が増して行きます。
内部に入ると越前和紙の貼られた天井に骨太な高樹齢な丸太の梁が美しく映える空間が広がります。
集まりのほかに、大きなサッシを開いて、御神楽等の行事の舞台として使われることもあります。
奥の控えの間にも同じ越前和紙の天井クロスが貼られました。
壁は珪藻土と漆喰を配合したリソー仕様の、いつもの塗り壁です。
本殿は壁の板をあく抜きして本来の姿を蘇らせました。
社務所と本殿の移動にも段差なく雨に濡れずに渡れるようにと
細かく高さを計算したデッキや外部も充実させることができました。
旧国道沿いの塀も新しくなりました。
伝統建築の中にコンクリート打放しの壁面に和瓦の笠木、モダンな印象が加わっていますね。
今では伝統的な日本建築を建てる技術をもった職人も少なくなってしまいました。
世界に誇れる伝統をたくさん持っている日本。
匠文化の正統な継承者を自覚するリソーケンセツは
これからも地域の皆様に貢献できるように努めていきたいと思います。
関係各役員の皆様には、大変お世話になりありがとうございました。
今後共、何卒宜しくお願い申し上げます。